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2017-06

ミハイル・プレトニョフとロシア・ナショナル管弦楽団 - 2007.06.07 Thu

音楽がどれほど力を持っているか、どれほど人生を豊かにしてくれるか、久しぶりに魂を揺さぶられる思いを味わいました。
ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団との陶酔の二夜。
ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団


ミハイル・プレトニョフ。
彼を最初に知ったときはピアノのソリストでした。
東京芸術劇場でのピアノリサイタル。
彼が弾くリストの多彩な表情に、まるで初めて聴く音楽のような、果てしないイメージの洪水が沸き起こったのを覚えています。
東京芸術劇場がまるで演劇の舞台のように、様々な色彩にあふれ、そこここに音楽の妖精が踊り遊んでいたのです。
大げさなようですが、本当にそれほど豊かにこちらのイマジネーションを掻き立ててくれる、新鮮で、際立っていて、どれほど言葉を尽くしても足りるということがない、複雑な演奏でした。

その後、彼のCDを必死に追い求めた私は、彼がピアノ用に編曲したチャイコフスキーのバレエ音楽『眠れる森の美女』や『くるみ割り人形』を聴き、やがて、作曲者、そして指揮者としての彼を知るようになりました。
一つの楽曲を徹底的に分析し、いったん分解して組み立て直してきたかのような彼のピアノ演奏を聴けば、たしかにオーケストラを操ってみたくなるだろうなぁというのは頷けます。

そして今回、ようやく待ちわびた彼の管弦楽団の来日が果たされたのです…!

書きたいことが山ほどあるのですが、たぶん、書ききれません(笑)。
それほど素晴らしい演奏会でした。

レオナルド・ダ・ヴィンチの受胎告知を観てきたときも思いましたが、芸術は生、なんですね。
やはりその場へ行って味わったあの瞬間は、何物にも代え難いものです。
彼の創り出す音の瞬間瞬間が多重宇宙のように重なり合わさって、一人の人間の中にも宇宙を創り出してくれる幸福な時間が積み重なり。

ここしばらくフラメンコの音楽にのめり込んでいた私でしたが、久しぶりにクラッシックの良さを思い出しました。
やはり原点はここだなあと思いました。
毎朝、母がつけたラジオからクラッシック音楽が大音響で流され、たたき起こされてきたのを思い出します。

思い出すといえば、ショパン!
この日、プレトニョフとRNOは2005年のショパンコンクールの優勝者ラファウ・ブレハッチを迎えて、ショパンのピアノ協奏曲第1番を聴かせてくれましたが、これがまた、ものすごく鮮やかな印象を残してくれて!

小学生の頃、ツィメルマンが弾いてるのを聴いたときから憧れの曲でした。
どうしても弾いてみたくて、協奏曲の楽譜を買ってもらって。
でも、どんなに頑張っても弾けなかった難曲でした。
ゆっくりしたテンポの2楽章の最初のほうなら何とかなるので、オーケストラ部分(ピアノで弾けるようにしてある)を奏でつつ、ちょこっと協奏曲気分を味わってみたりして。

今回のブレハッチくんはそのショパンコンクール優勝者のクリスチャン・ツィメルマン以来のポーランド人優勝者だそうです。
その彼の演奏をこうしてプレトニョフの指揮で彼の管弦楽団で!聴くことになろうとは、何やら縁のようなものを感じずにいられません。

このショパンのピアノ協奏曲、なんとプレトニョフが管弦曲部分を編曲しているものを聴かせてくれたのです…!
えええ? あの名曲を編曲? 何様!?(笑)
と思わなくもありませんでしたが、そういう革命的ともいえる彼の大胆さがスキです。

それほどの大胆さを持っていながら、演奏後のプレトニョフはあいさつもあっさり、菜食主義者ですかと思われるような脂気の抜けた淡泊さで、登場してきたときと同様、淡々と去ってゆきます。
歩き方はあくまでゆっくり、乱れず、何にも惑わされずといった世捨て人の風情。
うーん。
おもしろい人だ。この人が団員を叱るときってどーやってるんだろう…??

じゃなくて、演奏!
おもしろかった!!!!!

ショパンのピアノ協奏曲をあれほど細かく楽しんだことはなかったような気がします。
またラファウ・ブレハッチくん(若いんですもの。くんて感じなんです。でも弾く姿は巨匠なんです…!笑)が、ミハイル・プレトニョフの曲に対する理解をまったく同じように理解しているように思えたのは幻想ですか!

これまではこの曲はピアノのためにあるのであって、オーケストラはあくまで伴奏としてしか聴いたことがなかったんだなぁ、としみじみ思いました。
だって、ピアノが本当に華やかなんですもの…!!!
それが、この日は違ったんです。いえ、ピアノが華やかじゃないという意味ではなくて。(ラファウくんはまさしく天才でした! あの若さで完璧! 彼のリサイタルにも行ってみたい!)
協奏曲って言葉の意味が、すごくよくわかったというか、しっくりきたというか。
ピアノと弦が絡み、ピアノと管が絡み、どちらも主役級のスケールを持ち、まさに多重宇宙構造となって(だから落ち着け自分!笑)、あらゆる音楽の揺れの楽しみをこちらに伝えてくれた感じだったのです!

……だんだん興奮してきて、文章の暴走が手に負えなくなってきました☆
時間もないことだし、そろそろ筆を置くことにします。

それにしても、思わず大阪まで追っかけようかと思ったくらい素敵な夜でした。

ああ、これ書くと長くなるからやめますが、ドヴォルザークの『新世界』!
これもまた、初めて聴く曲のようにミハイル・プレトニョフでした!(言いたいことを判って~~~)

でも悲しむべきことに、彼ったら新世界はCD出してくれてないんですもの!
もう一回聴きたいと思っても後の祭り。

帰り際、CD売り場に殺到している聴衆たちをかき分け、ドヴォルザークの新世界を探してみたら、そこにはカラヤン指揮ベルリンフィルのものが、今日演奏された曲として並んでいて、カラヤン大好きな私なのに、思わず「今はこれは聴きたくないのよ~」とつぶやいてしまったら、隣のおばさまに「そうなの! 今はカラヤンでは聴きたくないのよね!」と熱を込めて返されたのが印象的でした。

同じ熱い想いを味わった人があふれてました。
いい夜でした。

自分的記録のために、アンコール曲を表記。

6/5
チャイコフスキー バレエ音楽『くるみ割り人形』より「花のワルツ」
グラズノフ バレエ音楽『ライモンダ』より「スペインの踊り」(だったっけ?)

6/6
ラファウ・ブレハッチ
ショパン ワルツ嬰ハ短調作品64-2
ショパン ワルツ「子犬」作品64-1

管弦楽団
J・シュトラウス二世 ポルカ「ハンガリー万歳」
ハチャトリアン バレエ音楽『ガイーヌ』より「レズギンカ」

はっはっは。
そういえば、このハチャトリアンも凄かった。
まさにラストを飾る勢いのある曲。耳も体も破裂しそーになりました。

あ、思い出した。
小太鼓の少年がもんのすんごく可愛い金髪の美少年で。
終演後も片付けに手間取ってけっこう長くステージにいたので、女性陣の視線を集めていたんだけど、その彼が引っ込む間際、拍手が起こって、彼は照れながらもかわゆらしく手を振ってみせてくれました。

いやー、久しぶりにあれだけの美少年を間近で見ました。(実はこの日は最前列だったのよねなぜか)
小太鼓のテクニックはすっごかったです。
きっと彼はリズム隊の中でも天才秘蔵っ子で、オトナの楽団員たちにももみくちゃに可愛がられてるに違いないっ!
と妄想をたくましくしつつ、東京オペラシティコンサートホールを後にしたのでありまシタ。

ミハイル・プレトニョフの演奏会だけは、どんなに忙しくても行きたい!と思ってチケットをゲットしていたのでありましたが、実のところほんとに忙しい時期でした。
でも行ってよかった!
神様、彼と同時代に私を生かしてくれて、ありがとう~~~~!!!!

[さらに追記]
ところでこのオーケストラ、ステージ上での楽器の配置がとてもおもしろかった。
他のオーケストラがこういう配置で演奏しているところは一度も観たことがなかったんですが、これってRNOだけなのかな?
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右にあるというのは、戦前の伝統的な配置のようですが、他もいろいろと意欲的でした。
まず第一ヴァイオリンが客席から向かって左手に12人(人数は曲目によって変化)、普通は右手奥に配されるチェロとコントラバスがその後ろ、左手(舞台では上手?)側にずらりと、そして第二ヴァイオリンが右手に12人(つまり、1st Vnと2nd Vnが対面形式になる)、その後ろにビオラ、ふつう左手か最終列の中央に配置されるパーカッションが右手奥、最終列にはホルン・トランペット・トロンボーンなど管がずらりと一列に、ピッコロ・フルート・オーボエ・ファゴットはその前中央寄り。
なんというか、こういう配置で聴くと、ステレオというより、各パートがくっきりと際立ち、大きな波のように音楽のうねる感じが特に強くなり、シベリウスの『フィンランディア』やチャイコの5番がまったく違った動きのある曲のように聞こえてきました。
新鮮…!!!!!


■ロシア・ナショナル管弦楽団(Russian National Orchestra)

1990年にプレトニョフによって創設された、ロシア史上初めての民営オーケストラ。BBCプロムス・デビュー公演(1996年ロンドン)は「観客が思わず嘆息するほどの、魅惑的な美しさ」と称賛され、2004年には「ロシア芸術で最高の生きたシンボル」(マイアミ・ヘラルド)と絶賛された。
グラモフォン誌はこのオーケストラの初CD(1991)を、チャイコフスキーの「悲愴交響曲」史上最高の録音と称えて、「畏敬の念を起こさせる経験。このように演奏することが可能であってよいのか」と評し、またナガノ指揮のプロコフィエフ「ピーターと狼」の録音は、2004年にロシアのオーケストラとして初めてグラミー賞を受賞した。
芸術監督のプレトニョフをはじめ、V.ユロフスキー、M.ロストロポーヴィチ、K.ナガノといった指揮者たちと、ロシア国内はもとより、世界各国に活発な海外ツアーを行っている。


■ミハイル・プレトニョフ / 芸術監督・指揮(Mikhail Pletnev, Founder and Artistic Director)

1978年のチャイコフスキー・コンクールで第1位を獲得したプレトニョフは、ピアニスト、指揮者、そして作曲家それぞれの分野において並外れた才能を発揮し、世界中の観客を魅了、そして驚嘆させてやまない芸術家である。彼の音楽性は、魅惑的な技巧と刺激的な感情の幅を内包しており、その解釈は直感と知性を融合させるものである。ロンドン・テレグラフ紙は「プレトニョフの指と頭脳からは、音楽を活気づかせるアイデアが生まれ、そこからは新鮮さと機知があふれ出ている」と称し、タイムズ紙も「恐るべき美しさをもった想像力から生まれた、見事な妙技」と絶賛している。



■ラファウ・ブレハッチ/ ピアノ(Rafal Blechacz, piano) 

1985年ポーランド生まれ。
2005年第15回ショパン・コンクール優勝。同時に3つの副賞をすべて受賞という快挙を成し遂げた。この優勝は、1975年にクリスチャン・ツィメルマン以来のポーランド人優勝者であり、ツィメルマン本人からは祝福の言葉とともにソナタ賞が贈られた。「ショパンを深めると同時に、さらに研鑽を続けたい」と語るブレハッチの音楽には、柔らかな気品ある音色、繊細な感受性、何よりも音楽への深い愛が溢れている。
各地で満員の聴衆を集めた2006年11月のリサイタル・ツアーに続き、いよいよ日本でショパンの協奏曲を披露する。

――――JAPAN ARTS profile記事より



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